葬儀の心得・ご遺体の安置
病院を出発した時点で携帯電話をお持ちでしたら ご自宅に一報をお入れ下さい。
自宅で準備されるかたは以下の事をご参考にしてください。
- 1.北枕になるよう寝具をととのえておきます。
- (寝具は普段お使いになっていたものがよいでしょう。) これはお釈迦様がお亡くなりになったとき お顔は西・頭は北に向けていたそうです。 北枕が無理な場合は西に向けてご安置できるようにします。 こちらは西方浄土にむけてご安置するという意味があります。
- 2.ご遺体をご安置するお部屋の室温を調節しておきます。
- 夏はクーラーをいれます。 冬は暖房をきります。 できるだけ室温をさげておきます。
ここでマナー・風習に関してお話させてください。 お客様によっては非常に気になさる方がいらっしゃいます。 ここは東京です。いろいろな方が高度成長期に 地方から集まってきています。 よってマナー・風習が非常に混沌としています。
ご葬儀にはいろいろなご親戚が集まります。 そこではこうしなければならない。 田舎ではこうだった。と ご忠告のオンパーレードです。 その一つ一つに反応されていては お客様は疲れてしまいます。
マナーも風習もこうしなければいけないなんてものではありません。 そこに象徴されている意味をご自分なりに解釈して 必要なものだけご選択していただければいいのです。 そうしたことが苦手でしたら 私どもがこうしましょうとご提案いたします。
お帰りになったらまず故人をお布団に寝かせます。 まだ故人の体温を確認していない方はここで確認してください。 末期の水の準備をし、まだされていない方はされてください。 皆さんが落ち着かれたら、故人にドライアイスをあてます。
エンバーミングに関して前回マイナス面ばかり お話しましたが、有用である方もいらっしゃいます。 遺体を長期保存する必要がある方 (葬儀まで外国から息子などの到着を待つ場合など) 故人が何らかの感染症を患っていた場合などです。 ただ故人にドライアイスをあてるのがかわいそうだという 心情的な面だけでお使いになるにはまだまだ高額である (¥165,000~)と思います。
ドライアイスをあておえれば布団かぶせ 胸元に守り刀をのせます。 (もちろん模造品です。) 魔よけのためといいます。
お線香をあげる準備をします。 これは葬儀屋におまかせください。 お客様にお願いしたい事は下図の様
- コップや湯のみにお水またはお茶。
- 生前お使いになっていた茶碗にご飯を山盛りにし真ん中にお使いになっていたお箸を立てる。
- 団子を作っていただき小さな皿に盛り付ける。
ご飯がない場合などは翌日の朝にします。
浄土真宗はご飯や枕団子をお供えしません。 故人は阿弥陀如来のお慈悲のもとなくなってすぐ 西方浄土に旅立たれたと考えるからです。
49日の間7日ごとに審判をうけながら最終的に仏様 になるとういう考えをしません。 よって49日の旅にでませんから ご飯とお団子は必要ありません。
しかし、お気持ちでというならわたしはお供えしてもいいと思います。 教団の教化が各家庭にいきとどいているか? お寺さんが教えを葬儀のときだけ説明しても 日本人がいままで行ってきた風習には意味があり、 故人の無事を祈りご飯をもったり・お団子をお供えする 行為自体はなんら教えに反していないと思うのです。 頭ではなく、団子をつくる両親の姿などをみてきたわれわれは 体で覚えている事だと思うのです。
マナー本にはここで枕屏風を立てると書いてあります。 ただ東京で屏風をお持ちの方はほとんどいらっしゃいません。 屏風がある方だけ逆さにして(これも逆さごとです。) おたて下さい。
枕花はお花がないと寂しいという方はご用意ください。 弊社は1万6500円~ございます。
以上、必要だと思わないことはやらなくて結構です。 やらないから、故人があの世でつらいおもいをなさる わけではありません。 これは皆、生きている方たちの想いです。無事を祈ることが形となってあらわわれているだけです。